ひびのこづえ展@金津創作の森 オープニングパフォーマンス
8月20日まで、福井県あわら市 金津創作の森で開催中のひびのこづえ展。その初日、7月1日に、展示会場にてオープニングパフォーマンスが開催された。今回も楽曲提供という形で参加。現地でたっぷり、パフォーマンスを体験してきた。
2005年の愛知万博でのパフォーマンス「Creative Japan」からご一緒して、その後、国民文化祭ふくい・2005でのファッションフェスティバル in 鯖江、11月にはスパイラルで開催された氏の個展でのパフォーマンス…そして今回、と、気づけば早くも4度もご一緒させていただいたことになる。本当にありがたい。
先日、そのパフォーマンスの模様を収録したDVDが届けられたのだが(このDVD、個展会場にて連日上映されているらしい)、別件仕事で睡眠不足の最中、疲れ果てた状態で、翌日の業務のために即、眠らないといけない、睡眠時間を確保しないといけない、体力を少しでも回復しないといけない…そんな具合で、その日は一刻も早く床につくはずだったのに…「さわりだけでも見るかな」と、内容をちょっとだけ「確認」するつもりだけでプレイヤーを再生した。それが、より睡眠不足を生む結末を生もうとは…。
自らの楽曲が使用された、内容も十二分に知りすぎているパフォーマンスの記録映像だというのに、瞬時にその雰囲気に飲み込まれ、気づけば、連続2回も通してみてしまう羽目に…。ある意味、この上ない、幸せ者である(苦笑)。
今回の公演では、僕は、完全にお客さんの立場で、このパフォーマンスを鑑賞してみよう、と決めていた。今回のために新曲を作ったわけではなかったので、あえてリハーサルにも立ち会わず、会場前、整理券を求めて並ぶお客さんの列にまぎれてみたりしながら、観客気分を味わっていた。客観的に、自分の仕事がどのように機能しているのかを知りたくて…。
だけど、客観的になんて、なれるはずはなかった。パフォーマンス中、どこまでお客さんに伝わるだろうか? どれだけ喜んでいただけるだろうか? 途中で飽きたりしないだろうか? 子供は泣かないだろうか?(最初の方で、少し泣かれてしまったけど・苦笑)と、そんなことばかり考えてしまって、純粋に楽しむことができず、たえず、ドキドキしていた。お客さんたちが公演中、ひそひそ話している姿を確認しては、気になって仕方がなくなったり…。
でも、最後の曲が始まるころには、そんな「観察モード」から自然と抜け出し、目の前での光景に、ただただ身を委ねている自分がいるのに気がついた。そしていつものように、少しだけこみ上げてくるものが…本当に、幸せ者である(苦笑)。
音が鳴り止んだ。ダンサーのみなさんが深々と頭を下げて最後の挨拶…これまでのどこでの公演以上の大きな拍手が…鳴り止まないのではないか? と思うほど、本当に長い時間、続いた。
心の底から、嬉しいと思える瞬間だった。理屈っぽくて敷居の高い、作っている本人やごく一部の人たちにしか伝わらないようなものではなく、かといって、わかりやすさを追求するわけでもない、列記とした「作品」でありながら、より多くの人に伝わる力を備えたパフォーマンス…その、とてもバランスのとれた感じが、心地よい。そしてそれこそ、自分の求めていたものであり、その場に参加できたことを誇りに思う…そんなことを改めて痛感させられた瞬間だった。
とかく若い頃は、「自分のために創作している」「新しい価値観を生み出したい」…なんて、誰かの受け売りのような言葉を自分に課していた部分があったが、こうした瞬間を目の当たりにすると、それがどれだけ「青い時代」の戯言だったか思い知らされる。
「何のために」、そして、「わかる」なんてことは、キャリアを終えるその瞬間を迎えても実感できないことなのかもしれない。だが、こんな瞬間をこれからも沢山届けられるように、自分を律していけたら、と、強く思うこのごろ…。
終演後、「曲、いいねぇ」と、こづえさん。「CD、出しちゃいますかねぇ」と、僕(調子に乗り過ぎ)。万博のときはもちろん、スパイラルでの上演まで、毎公演、終演後にCDは売っていないのか? という問合せがあったらしい。もちろん、出す気は満々なんですが、先立つものが…(苦笑)。だけど、いつかリリースできる機会を作ります。密かに楽しみにしてくれている方、今日の約束を、首を長くして待っていてください(笑)。