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フォーエバー・ヤン―ミュージック・ミーム〈1〉

フォーエバー・ヤン―ミュージック・ミーム〈1〉
ヤン富田
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 ヤン富田。多くのミュージシャンから熱いリスペクトを受けるアーティスト。

 この夏、久しぶりに音源が届いた。それに合わせて発表されたのが、この「フォーエバー・ヤン」という名の書籍(正式タイトル「フォーエバー・ヤン ミュージックミーム1」)。過去から最近までのインタビューやヤン氏を知る親しい友人らからのコメント、そして、本人による様々な事象に対する考察が一冊にまとめられている。
 
 

 手に入れていたのは、もちろん、発売されて間もなく。だが、つい昨日まで、買ったままで読まれることなく、部屋の片隅におかれたままになっていた。

 自分の仕事の音資料がようやく完成して、今日はそのチェックのために時間を費やしていた。重箱の隅をつつくように、入念なチェックをするのはもちろんだけど、BGM感覚で聴くとどうなるんだろう? 聴いてもらう側のことを考慮するとそうしたチェックも必要になってくるので、部屋で過ごす休日の雰囲気を自ら再現すべく、「本でも読みながら聴いてみるかな」と、手に取ったのがこの「フォーエバー・ヤン」だった。

 興味の湧かない箇所は読み飛ばし、時には本からは意識を外してチェック中の音源に集中してみたり。。。まぁ、気分としては、「積み上げられているままじゃもったいないし」。。。そんな貧乏根性での読書のつもりだったのだが。。。。いつしか、チェックするはずの音源はそっちのけで、本に夢中になっていた。

 読み終えてみて、具体的に「この言葉が印象深い」といった部分はあまりない。なんと言えばいいのだろう。ある音楽家が自分の姿勢を貫くための「魂の叫び」のようなものが、全体を通じてにじみ出ているような気がした。そしてその叫び声は、今の僕の心に、激しく響いた。途中、レコーディングに参加した旧知のミュージシャンの鼎談による昔話のエピソードなんかには、思わず声を上げて笑ってしまう部分もあったんだけれど、巻末に近づくと、自然と、こみ上げてくるものが。。。

 日本の音楽シーンの中でも、かなり独特な立ち位置で活動をしてきた氏。その発言の多くには、深いシンパシーを覚える。やはり、ここまでやって初めて、「ものを生み出す」という実感が得られるのだろう。背筋を正したくなる思い。。。

 創作に携わる端くれとして、僕もいつか、そんな瞬間に遭遇したい。いや、そんな瞬間を自ら導きださないといけない。それが、ヤン富田から授かった教えだ。

 もしもその瞬間を迎えることができたら、またこの本を読み返してみよう。そのとき、今日の日のことを、どんなふうに思い出すのだろうか?