作曲フィニッシュ

【ひびのこづえperformance @ 水戸芸術館】
http://www.kawasekohske.info/HKATM/
この一ト月、こもりっぱなしで作曲三昧。
そして今日、ようやく作業完了!
この間、外に出たのはわずか数回。
馴染みのところへインタビューを受けに、そして別件のための打合せへ…その他…あっ、これはナイショで(笑)。だってその時間は…大人が大勢集まって、ただただ呑んだくれていただけなんですもの(土下座)。でもお蔭様でその後の作業はとてもはかどりました(笑)。
今週末、8月18日(土)より水戸芸術館で開催されるひびのこづえさんの展覧会「ひびのこづえの品品 たしひきのあんばい」にて行われる「ダンスパフォーマンス」のためのサウンドトラック。約30分——今回もまた、面白い内容に仕上ったのではないかと——自画自賛(笑)。
今回のコラボレーターもまた、ビッグネームです。
毎度、僕以外は有名人(笑)。
いつも貴重な機会を与えていただいて、本当に感謝です。
それにしても、この独りよがりっぷり——毎度のことではあるけれど、作曲から演奏、ミックスまで完全に独りでこなしたことを考えると、かなり笑えます。その内容は、分裂気味ともいえなくないかも?(苦笑)
2005年の愛知万博での上演(Creative Japan)を皮切りに、同年末のスパイラルでの上演など、何度かこづえさんのパフォーマンスをご一緒させていただいているけれど、これまでは、打ち込み率99%だったところを今回は、生演奏の比率をだいぶアップさせています。もちろん、その全てが僕一人によるものなのですが、声も含めて「自分で音の出せるものは全てやる!」という意気込みで取り組みました。全体の曲の構成の仕方も含めて「川瀬浩介ショーケース」と言えそうな仕上がりではないかと思っています。
パフォーマンスについての詳細は、こちらを。
http://www.kawasekohske.info/HKATM/
たっぷり頭を使って、ない知恵を絞り出して格闘していたわけだけれども、その間は、実に充実した時間で…苦しくも楽しい一ヶ月でありました。こんな日常がずっと続けばいいのに…と、いつもの妄想癖を今回も発揮しながら、連日明け方まで作業を進めることに…。
不思議だったのは、どんなに追いつめられた状態でも、作業を続行できたこと。これまでだったら、アイデアが出なくなったり自分の能力の低さを痛感したり〆切から逃れたくなって「不貞寝する」…これが僕の定番の逃避方法だったけれど、今回ばかりは、信じられないくらい精力的に作業を延々と続けられたのです。睡魔に襲われもう限界…という場面でも、椅子から立ち上がって、出来上がった音源を聞き返しながら部屋の中をグルグルと歩き、脳を活性化…そしてもう一踏ん張り…いよいよ限界となったら即眠って、目覚めた直後から作業再開…その繰り返し。よくぞここまで集中していられたと、自分でも感心しています。
今回の機会を与えていただいたことへの感謝と、その期待に十二分に応えたいという気持ち…そして、観ていただく皆様に喜んでもらいたいという想いが、これだけの集中力を発揮できた背景にあるのだろうと思います。さらに、この作業に入る前の数ヶ月間、自らを苦境に追い込んでしまった自分への戒めもあったのでしょう。
いつもそう。創っているとき以外は、無いに等しい人生だから、そのときがきたら、全身全霊を込めて集中する。全力で取り組む。それが僕にできる唯一のこと。創っているときは、完全に「無」になれる。何も考えない。ただ、漠然とイメージする風景を音にしていくだけ。創作をする身として、これ以上の幸せはあるでしょうか? 全体を統括しプロデュースする立場にたったら、そうも言っていられないだろうけれど、僕は音楽に集中させてもらえたから、ここまで自由にいられたのでしょう。本当にありがたい。
きっと、今の僕にとって「創る」という行為自体が、最高の「現実逃避」なんだろうと思います。だから今回、ここまで集中できたに違いありません(しばらく作業から遠のくからこれからがちょっと怖いけど)。
あとは、実際の公演で、この音楽がどう機能するのか? 今年の夏、僕の音楽に初めて出逢う皆さんに、どこまで喜んでいただけるのか? 皆さんの心の中に、それぞれの物語を呼び覚ましてもらえるといいのだけれど…。本番当日…様々な意味で、今からドキドキ、ワクワクしています。
窓辺から木々の隙間をぬって上空を見上げると、入道雲が空高く立ちこめている様子がうかがえます。見事な夏の空。今日、少しばかり気分がいいのは、きっとこの天気のせいだけではないのでしょう。