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2008年01月31日

ケミストリー

もしかしたら、今、とんでもない瞬間に立ち会おうとしているのではないだろうか?


昨日の未明、仕事を仕上げたときに、ふとそんなことが頭をよぎった。ロックやアート、前衛が、とっくの昔に「定型化」してしまったわけだが、今、僕らが手がけている仕事は、そんな「枠」から、絶妙なバランスを保ちつつ飛び出そうとしているんじゃないか? そのバランスを整える一端を担う役割として、僕は今、ここにいるんじゃないか? 多くの先人達が、歴史的名盤、名演、名作と言われる作品を生み出したときも、きっとこんな空気だったのかもしれない…ちょっと大げさだけど、そんな気分に浸っている(笑)。
 
 

 
2008年1月30日未明。近く公開される仕事のための最初のデモ音源が完成した。深夜に、独りこの部屋で仕事の仕上がりをチェックしてから数時間後、その成果を携え、みんなが待つ元へ向かった。

これは、与えられた「お題」に対する僕なりの回答。バンドでいえば、セッションに近い作業だ。できる限りのアイデアを振り絞って音を紡いだ。「必ず通じる」。そう信じてプレビューを開始。いつもこの瞬間は緊張するけれど、今日はいくばくかリラックスできていた気がする。プレビュー後、みなの表情を確認する間もなく、歓声にも近いリアクションをいただいた。思いは通じた。この瞬間を今日、共有しあえたことが、何よりも嬉しい。

疲労困ぱいの中、わざわざ届けて正解だった。ネットでのデータやり取りがほとんどになってきている昨今…思えば、仕事を届けに出かけるなんて、いつ以来だろう…そんなことを、徹夜明けで薄らいだ意識の中、ぼんやり車窓からの風景を眺めながら思い浮かべていた。


多くのロックバンドが起こしたのと同じような「ケミストリー」が、今、この現場で起きようとしている。僕らは当然、ロックバンドではないけれど、秘めた志は、まさにロックバンドなのかもしれない。


だけど、今日の成果はまだ、デモンストレーション。今日には思い描かなかったような驚きを生み出すために…そして、この先に、この輪がもっともっと遠くまで広がるように…そのために、完成までひとつひとつ丁寧に作業を進めていきたい。


詳しいことは…まだ、ナイショ(笑)。全部出来上がってから報告するのが、好みのやり方なんでね。とにかく、楽しみにしていてほしい。好みにはあわないかもしれないけれど、あらゆることが冷めきってしまいそうな今、ほんの僅かでも「きらめき」を感じてもらえるはずだから。必ずそう感じてもらえるように、僕もこれまでと変わらず、全力で取り組む所存だ。


今年の一月は、これまで経験したことのないくらい、充実した一ト月だった。無休状態なのは正直しどいけれど、この感じ…悪くない(笑)。春にはもっと穏やかな気分でいられるといいな。僕自身もいろいろなことを楽しみにしている。
 

2008年01月27日

川瀬浩介プレゼンテーション @ VJ Summit

去る1月26日(土)、Appleストア銀座にて開催された「VJ Summit」というイベントに出演。


といっても、僕はVJじゃないんだけれど…(笑)


「偽装問題」が蔓延する嘆かわしき状況の中、まさか僕も、身分を偽ってまで出演をしたかったのか? 「誇り高く生きる。」と少し前の日記で自ら宣言した男も、やはり口先だけだったか…とお嘆きのあなた! もちろんそれは冗談ですから、ご安心を(笑)。今回は、僕が、VJとはまた違った側面から音楽と融合する「視覚的要素」を使った表現を追求しているということで、主催者側より正式に依頼、承諾を受けた上で参加してきた次第。持ち時間はわずかだったけれど、「VJ」をイメージして来場されたお客さんに、何らかのひっかかりを提示できたとしたら、やった甲斐があったというものだ。

この話しをいただいて、僕自身、タイムリーだと感じたのは、丁度、今、VJソフトを使った制作スタイルを導入しようかと真剣に検討していた時期だったこと。プレゼンテーションでは、自分の作品の紹介をしながら、その制作過程でVJソフトの必要性を感じ、今後、VJ的手法を使った制作スタイルを導入することで、さらに表現の幅を広げられたら…そんな話しをさせていただいた。


当日使用したプレゼンテーションのための映像を、早速YouTubeにアップ! これだけでは何を伝えようとしていたのか、わからないかもしれないけれど、まずは映像だけ、先にお楽しみいただければと思う。僕のデビュー作「Long Autumn Sweet Thing」、そして、最新作「an etude for Scene of Light〜光の情景のための習作」について紹介しながら、VJソフトの必要性を訴えてきた…そんな感じだけれど、詳しい内容はまたいつか、改めて。


2008年01月24日

無休

元旦から無休状態が続いている。

新年会だとか、お楽しみの時間はあったものの、その日だって、宴に向かう直前まで仕事をこなしていたし、ギリギリ終電に間に合って宴からほろ酔い加減で戻ったあとも、明け方までちょこちょこ作業を再開したりしていたくらい…ワーキングなんとやらとは、まさにこのことか?(苦笑)

昨日、2年ぶりの積雪となった東京は、相当に冷え込んだ。表は気温1度。室内でも10度程度だった。外気温が10度を切ると、やけに寒く感じるというのに、家の中でも10度以下とは…。どれだけ防寒、風邪対策を施していても、そろそろ限界か?

毎日温かい鍋を食べて、風邪予防に効果的といわれる紅茶を飲んで(この季節、通常なら玄米茶なのだが)、身体を温めるからという理由で黒糖をかじり、喉をいたわるために、そばハチミツをティースプーンに1杯分ねぶる毎日。外出時は極力歩く距離を稼いで、運動不足解消を試み、帰宅すれば手洗いとうがいは当然。ときによっては、顔まで洗う(冷水で)。仕事中は、フリース2枚重ねにひざ掛けという装備。ひどいときには、マフラーまでしているというのに…それでも、そろそろ風邪を引きそうだ。喉も痛い。頭も痛い。お腹も冷える。

だがしかし、今、倒れているわけにはいかないのである。まだまだ、もうひと踏ん張り! 2月の連休が終わるころには、ほんの少し、休めるかもしれない。もうちょっとバランスの取れた暮らしをしないと、結果、長期間寝込むことになりかねないから…。春までは、元気でいさせておくれ。これだけあれこれ対応しているんだから。
 

2008年01月22日

誇り高く生きる。

「ルールに則っていれば何をしてもいい」
「法律上は問題ない」


こんな言葉をよく耳にするようになったのは、いつからだろう?


溜息が漏れる。


社会の模範となるべき人たちには、そんな誇りのかけらもないようなことは公の場で口にしてほしくない。


もしも、認められていないことを犯してでも現状を変えようと思うなら、己の信念を露にせよ! 批判を浴びても守り通さなければいけないものがあるのなら、それが認められる時代が訪れるまで、叫び続けろ!


 誇り高く生きる。I Live with PRIDE.


僕が唯一約束できるのは、それだけだ。
 

2008年01月17日

初雪

B000Y3JGJY円游律
FENCE OF DEFENSE
Sony Music Direct 2008-01-16

by G-Tools


昨年末から引きずっていた仕事に、ようやくめどが立った。映像に音楽をつける作業だったのだが、16日正午、音楽パートもほぼ完成し、やっと全貌が現れた。納品へ向けて最終的な微調整を施すことになるが、とにかく、無事に完成のめどがたったことに一安心。今も早速、次なる業務のための作業に突入しているが、休憩の束の間、こうして無駄にタイプするのが、今の唯一の楽しみ?となっている(苦笑)。

それにしても、この連休は一刻を争う状況だった。特に〆切直前、連続15時間、一切の休みなしの状態で独り作曲演奏録音整音を続けていたなんて…わずか1日前の出来事なのに、果てしなく昔の出来事のような気もする今…よく乗り切れたと、我ながら自分の「火事場のナントやら」の破壊力に驚かされている。
 
 

 
昼。業務を無事に終えて、さぁ眠ろう! と思うも、やはり、気持ちの高ぶりが抑えられず、なかなか寝付けない。食事をとって、毛布にくるまり、ケーブルテレビで放送されていた吉本新喜劇なんかをみたりしながらソファーで横になってみると、心も身体も暖まり、ゆるやかに眠りに落ちそうになるも、床に移動してぐっすり眠ろう、と立ち上がった瞬間、また目が冴えてしまって…このついでに、風呂でもゆっくり浸かろう…なんて調子で入浴してしまったら、案の定、湯船の中でおちてしまった。危ない。いつもの悪い癖(反省)。

無事に生還し、すっきりした心と身体で午後の陽光を浴びていると、ひとつ思い出したことが。今日、フェンス・オブ・ディフェンスの新譜の発売日じゃなかったか? Amazonにオーダーしていたから届いているに違いない! と、ポストを開けてみると、きちんと予定通り、到着していた。そして、よせばいいのに、開封してプレイ! ミニアルムとはいっても…やっぱり全部聴いてしまった(苦笑)。こうしてまた、眠るタイミングを逃し…。


フェンスとの出逢いは、さかのぼること20年前。当時発売されたばかりの、彼等のセカンドアルバムを聴いたのが最初だ。当時は、日本の音楽シーンも「ロック」を生み出すことに積極的で、「こんな音楽が日本にもあるんだっ!」と、独り異常なほどの盛り上がりをみせていたことを今でもよく思い出す(当時から、こうした思いを共有できる友が少なかったのは、今も変わっていない・苦笑)。

このバンドも、結成20年。10枚以上のオリジナルアルバムを発表して、昨年には、キャリアの全てを網羅した2枚組のベスト盤も発表された。長いバンドの歴史の中で、当然、紆余曲折があったわけだが、その歴史をダイジェストで振り返ることができるこのベスト盤…内容の充実ぶりはもちろんだが、ライナーに記されたメンバーのコメントも印象深かった。数々の困難を乗り越えて今、再びそろって表現している様子を目の当たりにした目撃者の一人として、「やっぱりミュージシャンはかっこいい」と改めて思い知らされているところ。そして、その音、言葉の一つ一つは、三度の周り年をとっくに過ぎた我が身にとって、やけに身にしみる内容で…自分のこの20年の歩みととらし合わせてみたりして、なかなか感慨深いものを覚えた。「続けていくこと」の大切さと難しさ、そして、絆の深さを、今一度、深く心に刻んだ瞬間だった。そう、それは、僕のデビュー作のタイトルにそっと込められた想いと同じだ。


B000ULV2U6GREAT FREAKERS BEST~FENCE OF DEFENSE 1987-2007~
フェンス・オブ・ディフェンス
Sony Music Direct 2007-09-26

by G-Tools


僕の大好きな、1st、2ndアルバムからの楽曲を始め、収められた名曲の数々は、リマスターされ、ここで現代に気を吹き返している。最初の一曲目「Strange Blue」のイントロから、もうはっきり音の違いがわかるほどの内容で、旧盤では味わえなかった臨場感を覚え、瞬時に陶酔の領域に突入…彼等の世界に飲み込まれていった。セルフカバーでの曲も聴きごたえがある。たいてい、こういう試みは失敗、もしくは及第点に終わりがちだが、ここで聴けるそれは、違った。彼等のデビュー曲「フェイシア」のセルフカバーは特に秀逸。曲の持つ壮大なスケール感を、また違った魅力で聴かせてくれている。

…と、そんな調子で、去年の秋口から、すっかりまた、原点回帰モードに突入していたところ、その暮れに、ニューアルバムリリースの情報がアナウンスされた…ネット時代、これまでだったら取りこぼしていた情報も拾うことができるから、ありがたいやら迷惑やら(笑)。発表する側にとったら、便利な世の中になっているのはいうまでもないが…。


さて、このニューアルバム。プログレッシブロックの手法やら、やけにポップな曲やらがちりばめられ、今の僕の気分にぴったり寄り添ってくれる内容に仕上がっていた。それにしても、やっぱりこのメンバーが集まると、この音になるものだ。丁度、昨朝、自分が仕上げた仕事を聴きながら「あぁ、どこを切り取っても僕だなぁ」と喜びと安堵と溜め息を同時に感じたときのように、彼等が奏でれば、彼等の調べが鳴り響く…というわけだ。

アルバム発表のアナウンスがされた時点で、ネット上で試聴をして、そのときに気になったのが、ラストを飾る1曲「SAKURA ~夢咲くこの場所で~」。とってもポップで、素直ないいメロディが聴けるミディアム・テンポの曲なのだけれど、それがやけに心に響いて、胸、高鳴った。もう、昨秋のベスト盤で十分! と思っていたから買うつもりはなかったのに、このところの過酷な業務続きで頭も朦朧としていたせいもあり(笑)、つい「ワンクリック」してしまったのであった。もちろん、ワンクリックした甲斐は、十二分にあったけど。そして今も、その1曲がこの部屋に流れている。じんじん、震えが身体に走る。エンディングは、なにやら、次を予感させるシーンで終わっていく。これは、そう遠くない未来に登場するであろう次のフル・アルバムの予兆かな? そんな気がしてならない。


おや。ついうっかり、無駄タイプ?が弾んでしまった。そろそろ業務に戻らないと…。


東京では今夜、初雪が降ったらしい。昨晩、早めに就寝したせいもあって、深夜に目覚めたのだが(次の〆切を間に合わせるためにこの時間に起きたとも言える)、起き抜けにネットの新聞記事でそれを知った。気づくと無意識に、家の玄関を開けて、寝静まった外の空気を味わっていた——心地よい。ほんのり湿った夜の空気が、心穏やかな瞬間を僕に与えてくれた。〆切さえなければ、そのまま散歩にでちゃったところだろう。


さぁ。次の手を動かそう! 孤独な夜更けを無事乗り切るために、カロリー摂取のためのホワイトチョコと抗酸化作用を期待してのレーズンを携えながら、今宵も朝日を浴びるまで作業だ。明日、打合せが終わったら、少しブラブラ散歩でもしてこよう。どこへ行くかは…まだ決めていないけど。


嗚呼。今もこの部屋を包むFENCE OF DEFENSE「SAKURA ~夢咲くこの場所で~」。もうじき春分を迎え、暖かくなる季節にぴったりの歌だなぁ。年齢を重ねて、言葉と音の関わりで楽しめるようにやっとなった気がする。難しいことなんて、何もいらない。当たり前のこと、大切なこと、そして信じることを、そのまま素直に伝えればいい。

そろそろ、僕の歌心が覚醒する日も、そう遠くはなかったりして…なんてね(笑)。
 

2008年01月15日

日本史

今も、年末から引きずっている業務の真っ最中。そろそろ体力も限界に近づきつつあるが、手がけている仕事の重みをかみ締めているせいか、未だやる気は十分にある。

この仕事は、とある都市の現在・過去・未来までを描いたストーリーの映像に音楽をつけること。歴史を扱ったテーマだということに加えて、なにやら最近、日本について詳しく知りたい気分が高まっていることもあってか、つかの間の休憩の時間に、20年前…つまり、高校生のときに使っていた日本史の教科書を取り出して目を通したりしている。
 
 

 
なぜか、日本史と保健体育の教科書と地図、それから授業で使った音楽史の書籍だけは捨てずにずっと置いてあったのだ(このほか、受験のときに活用した数学の公式集と英単語本「出る単」も手元にある)。歴史の教科書は、いつかまた開くときがくる…と思い続けて20年。ついにそのときがきた! というには遅すぎるが、ざっと斜め読みしてみると、その内容の薄さにびっくりした。教科書では補えない部分を授業で先生が解説していくわけだが、それにしてもこれはひどい。どうりで、当時歴史の時間に興味を覚えられなかったわけだ。

けれど、今になって読んでみると、教科書に触れられている内容の行間が読める…というのか、付随する周辺知識が増えているおかげで、そこから色々な想像をめぐらせることができるのが楽しい。今、関わっている業務に関連した話題も登場するので、より興味を深めながら読み進めることができた。


それにしても…いつの時代も、日本を統治する政治家達の頼りないことといったら…。今も何も変わっちゃいないこの現実と比べて、深いため息をついてしまった。


歴史の内容も、その後さらなる検証が進んで、僕が教わったころと今教えられていることでは、ずいぶんと内容が違うらしい。昔から、疑わしかったんだ。「これって、本当にあった出来事なの?」「この人物は本当に存在したの?」——そんな疑問が自然と沸いたことを今でも覚えている。


大方の子供が抱きそうな疑問でいっぱいだった青臭い時代を過ぎて、ロマン派として激情的な作風をウリにする作家に育った今、歴史という「ドラマ」に、徐々に興味を示し始めてきている自分がいる。世界のあちこちで起こった一つ一つの出来事があるときつながり、大きな流れとなって今に通じてきた様子を知ることは、創作の手がかりにもなりえることを、この歳になってようやく知った。


きっかけは、何でもかまわない。何かの手がかりになることを、身の回りにある全てのことから探しているんだろう。


なんだか、考えがまとまらない。このところ、連日、日付をまたいで作曲し続けているせいか、作業が終わってゆっくり風呂に浸かっても、なかなか気が休まらない。意識は朦朧としているのだけれど、眠たいわけじゃないという、どっちつかずの状態。こういうときに寝酒でもするといいのだろうけれど、そういう習慣は身につけたくないから…。お気に入りの音楽でも聴いて気を静めたいところだけれど、作曲し続けている日常では、流石にその気にもならない。

とにかく、身体を温めて横になろう。何を書きたかったか…思い出したときに、また。
 

2008年01月13日

祖国

テレビで偶然みたインタビュー。
ある日本人俳優が何気なく発した言葉を聴いた瞬間、
僕の中に、熱いものがこみ上げてきた。


——祖国——


もっと深く知りたい。
僕自身のこと。
僕の周りの人たちのこと。
 

2008年01月05日

新しいオモチャ


年始も関係なく、あくせく業務。ある映像に音楽をつける作業を進めている。だが、こんな時季に仕事はなかなかはかどるはずもない。というわけで、何かのきっかけをつかみたくて、新しいオモチャを色々と手に入れてみては、独り、気分転換を図っている。
 
 

 

今日は、どうにも辛抱できなくて、ブルース・ハープを買ってしまった。これまで、オモチャのハープと結構ちゃんとしたクロマティック・ハーモニカを持っていたんだけれど、全然吹けなくて…。もちろん、音はでるんだけれど、演奏にならない(苦笑)。小中学校のときに培ったはずのテクニック?はどこへやら…まったく太刀打ちできず、長い間、放置。いつもすぐ手に届くところにおいておいて、たまに音を出したりして遊んでいた程度だった。

それが、つい最近、またふと思い出したように音を出してみると、これが結構、まともな音が鳴っているような気がして…ちょうど今手がけている仕事で、ブルース風のテイストを少しだけ取り入れたいと思ったので、必要なキーのハープが必要になった! という、これぞ長年培ってきた「都合のいい言い訳」を今年も早々に発揮して、買い物にでかけたわけだ。


ろくに吹けもしないのに、手にしたのは「プロ」と名の付くモデル。他にも当然、いくつかモデルがあったのだが、試奏することができなかったから、自分の力量との差を恥じる気持ちを抑えながら、その「プロ」を選んだ。

帰ってきてパッケージを開けると、黒を基調にしたそのボディが、なんとも素敵な風合い。やっぱり、見た目は重要だ。ルックスをみただけでもう、腕が上がった気分。嬉しい(笑)。そして一吹き——やっぱり、500円の安物とは違う音がする(それぞれの魅力があるけれども)。それから数時間…作業中の曲の構想を頭の片隅で練りつつ(これは、道草ばかりしている自分に対する完全なエクスキューズだが)、ひたすら吹きまくった。

演奏は、相変わらず超初心者級であるが、なんだかやけに楽しい。リコーダーもそうなんだけれど、小中学生のころに覚えた「指の記憶」が、かなり役に立つ。覚えているままに適当に指を動かすと、何となく、音楽のようになるから不思議だ。ハーモニカもその点では全く同様。吹いて吸って、左右に唇を移動させて…そうするだけで、なんとなく「いい雰囲気」が出せる。


これでだいぶ、道が開けたきたような気がする。今の仕事は、普通に仕上げるなら、なんら問題なくこなせる。でも、それじゃつまらない。僕らが手がけることの意義は、他の誰かじゃ出せないテイストを再現することにある。だから、できる限りのこだわりをはっきしなければならない。これは、どんなときでも同じことだが、今回はテーマが壮大だけに、特にそう感じている。



ハープのお手入れ用に、歯ブラシも買ってきた。何となく、手に収まるくらいの小さいブラシがほしいな…そう思って探してみたら、乳幼児用のものがあった。このかわいいマークには、流石に一瞬、戸惑ったが(この程度のことで、子供が歯磨きを敬遠しなくなるのだろうか? 親になったことがないからわからない・苦笑)、まぁ、こんなモノを携えている独身のオッサンもありか? と、自分を慰めるような思いを抱きつつ、レジへ向かった。お店の方は、まさかこれをハープの手入れ用とは思わなかったろうなぁ。あっ。いちいちそんなことを想像する暇はない、か。。。


オモチャといえば、昨年末のスパイラルの展覧会でご一緒した中山カズトさんの木工玩具も最近のお気に入り。このシンプルな造形と木目を活かしたデザインが、幾何学好きなうえに最近では手触りなどの触感に興味が向いている僕の心をくすぐる。そして何より、最大の魅力はその動き。素敵な腰フリ?で転がってゆく様子に衝撃を受けて、つい買ってしまったタマゴ型のガラガラと葉っぱ(一枚目写真の中央二つ)。転がるオニギリとクリのガラガラ(左右両脇)も、実際にその動きを体験して目の当たりにすると、いちころになる。これを手に入れてからというもの、作曲に煮詰まると、これらをコロコロと転がして気晴らし(笑)。その無心な様子は、周りから見つめると、きっと子供のように見えていそうだ。そういえば近頃、某画家から「大きな子供」と呼ばれているなぁ(苦笑)。

それにしても、集めたものは、全部、くるくると回るものばかり。自分でも、なんだか奇妙だ。誰か僕の心理を分析してください(笑)。


ちなみに、中山カズトさんの作品は、YouTubeで見ることができます。実際に動いている様子をはじめ、他の作品の遊び方が紹介されています。中山カズトさんのチャンネルはこちら


さて、そろそろ作業のスピードを上げないと…グズグズして結局追いつめられるのは、自分だからねぇ。U2のレコードばかり聴いてないで、さぁ、立ち上がれ!>オレ(笑)。
 

2008年01月01日

心技体


謹賀新年。
 
 

 
いつからか、新年を迎えるにあたって、「今年の目標」を掲げなくなった。具体的な目標を目指して仮に実現したところで(実現させたことは何度もあるけれど)、描いていた通りに一年を終えること自体に、だんだんと興味がなくなってきているからだ。


ここ数年はむしろ、想像もしえなかった明日を呼び寄せるにはどうすればいいのか? そんな馬鹿げたことをよく考えている。2007年は、善くも悪くも、そうした「思いもよらぬの出来事」の連続だった。お陰で、まさしく「波瀾万丈」な一年となってしまったが、裏を返せば、それは、僕が望む「劇的な日常」だったとも言える。物語のない暮らしなんて、僕にはきっと退屈に違いない。


近年、年始に具体的な目標は掲げないまでも、気構えというか、宣誓とも言える言葉を思い浮かべるようになってきている。ここ最近は、このブロクのタイトルにもなっている「生きる。」を続けていた。去年は「ロマン派。」だった。そして今年は…「心技体」。


言うまでもなく、心と技術と身体。そのバランスが保ててこそ、何事も最高のパフォーマンスが発揮できるもの。昨年の壮絶な体験を通じて、僕はそのことを身にしみて痛感させられた。だから、その強い思いを力強く記した、というわけ。もちろん、洒落や笑いの要素も忘れずに。


ちなみに背景の写真は、昨年の夏、水戸芸術館で行なわれた、ひびのこづえさんの展覧会に伺ったときに収めたもの。芸術館のファサードへつながる広場には、盛夏の最中、鮮やかな芝生が広がっていた。これは夕刻、見事な夕日を背にした図。言うまでもなく、こんなに都合の良い影は落ちない。ゆえにこれは、合成したものである(耳当てでもつけていれば別だが。夏場に、まさかね・笑)。



「予想もしなかった明日を求めて」と言うものの、結局、その現実全ては、自分の行ないが導き出しているもの。去年もさることながら、これまでの歩み全てを見つめ直してみても、やはり改めて、そう強く感じる。自分がサイコロを振らなかったら、決して起き得なかった出来事。良きにつけ悪しきにつけ、ね。

見えない明日を希望の光で満たすために、僕が唯一できることは、正直に、揺るぎない信念を携えて、日々、自らを律して生きる——I LIVE with PRIDE.——それだけだ。


人は誰も、先に生まれたからには、後に続くものの模範でなければならない。これからも起こるかもしれない厳しい状況を乗り越えていくために。そして、これから訪れるであろう光に満ちた健やかなる未来を迎えるために。


そのための「心技体」。


とにもかくにも、今年もどんなドラマが待ち受けているのやら。元旦から楽しみでならない。でも…なるべく穏やかにいきたいところだけどね(笑)。もう心労祟って激ヤセするのはごめんだからさ(順調にリバウンド中・苦笑)。
 
 

B000WS4PCOThe Joshua Tree
U2
Universal/Island 2007-12-10

by G-Tools


新年最初の音楽鑑賞は、U2「ヨシュア・トゥリー」。もちろん、最近リマスターされた音源だ。音量を過剰に上げる傾向にあるリマスター盤だが、この音源に関しては、そうした不毛な処理が施されていないところに好感が持てる。むしろ、旧盤では聞こえてこなかった音が感じられて、新たな印象を生み出したことを評価したい(とくに「MOTHRES OF THE DISAPPEARED」が顕著。イントロから、これまで埋もれていたシンセ音が際立って聞こえるようになっている。また「BULLET THE BLUE SKY」では、ドラムのアタック感が向上していて、イントロを聴くだけで「ロック」な気分にさせてくれるのが嬉しい・笑)。

そして、改めて思う。こういうのを「レコード」っていうんだよな、と。20年経っても色あせない。それどころか、新しい発見がある。これまで沢山CDを買ってきたけれど、僕は商品じゃなくて「作品」を求めてきたんだと、改めて痛感する。そうして我が家に集められた音楽たちは、当然みな、永遠の輝きを放っている。

僕も同じ道を志す身。まだまだ日々是精進なり!である。


それにしてもU2…このアルバムを聴くと、高校生のとき、昼休みの校内放送で流れてきたときのことを思い出す。あんなスピーカーからの音でもカッコ良かった。あれから20年かぁ…僕は今も、まだ何にもできないままだったあの頃と全く変わっていないような気がする(遠い目)。