銀河鉄道999
こんな時間に、昭和を代表するテレビ・アニメ主題歌を集めた7枚組みのアルバムを聴いている。
僕が聴いて育った音楽が、なんと160曲近く収められた、まさに「大百科」だ。もちろん、テレビの再放送で初めてしったものも多いけれど、リアルタイムに聴いて歌っていたものもたくさんある。当時は当然、アレンジのこととか録音のことなんてわかるはずもなかったから、今になって聞き返すと、様々な背景が想像できて楽しい。楽曲はどれも素晴らしい内容で、いつも聞くたびに驚きと発見がある。こんな素敵なものを、何も考えずにただ楽しんでいたなんて…本当に贅沢な時代に育ったんだなと、今になって痛感する。
子供のころの我が家には、アニメやヒーローモノの主題歌を収めたソノシートやLP、ドーナツ盤がたくさんあった。親が惜しげなく、買い与えてくれたものだ。クラッシックを聞かせて情操教育と謳っている家庭は数多くあれど、あれだけ多くのアニメ・マンガの主題歌による英才教育を授かった子供は、非常にまれではないか? テレビから聞こえてくるだけじゃなくて、家でレコードで聴いているんだから(笑)。どうりで、そのときの遺伝子が今、発揮されようとしているわけだ(笑)。オモチャのレコードプレイヤーで、自分でレコードをセットして聴いていた当時のことをことを思い出す。
ざっと160曲、斜め読みならぬ、斜め聴きをしてみたけれど、時代によって、アンサンブルの変遷がはっきり分かれていて興味深い。このアルバムに収録されている曲を聴く限り、バンド「ゴダイゴ」が登場してから、一気に曲調が変化していったように感じた。「モンキー・マジック」「ガンダーラ」…朝、この曲が流れる番組を見て小学校にいくのが日常だった。登校中、なんどこのメロディを口ずさんだことか…。アレンジも、かっこいいなぁ。そしてこれが、生演奏だということが、何よりうっとりさせられる。打ち込みもののよさも十分に知っているけれど、最近は、生演奏の迫力に、改めて感服させられている。だから僕も自分の仕事では、なるべく生演奏を中心にするようにしている。ただし僕の場合は、バンドやミュージシャンを招くんじゃなくて、完全なる独りよがりだけれど(できる範囲で、全部独りで演奏録音している・苦笑)。
それにしても、アニメソングやTV主題歌の多くを手がけた偉大なる先人達の仕事振りには、本当に脱帽させられる。これだけ見事にそれぞれの用途を満たしていながら独創性があるなんて…見習うべきところは、まだまだ多い。
そして今夜は、なぜかやけに「銀河鉄道999」の主題歌と、たしかエンディング曲だった「青い地球」にはまってしまった。この2曲は、曲調さえ違えど、曲の構成、アレンジの方向せいはわりと似ている。仰々しく、冒頭からブラスのファンファーレ的なフレーズが盛り上がってくる主題歌が数多い中、これらは、粛々と、ストリングスから始まり、歌、ギター、ベースを中心に進行していく。抑えた感情を、次に続くサビへ展開したときに一気に開放させる構成になっていて、その対比が、実に見事だ。
そして、アニメ主題歌の歌い手として巨匠の域にある「ささきいさお」による歌が、とても艶やかで、かつ雄弁に歌い上げている点にも、改めて驚嘆させられた。たしか、僕の記憶では、このころ、キャリアの円熟期だったはず。いまふと、頭をよぎったので書いてみるが、あのパバロッティーを思わせるテノールぶり…もちろん、声の質や歌のキャラクターは全然違うけれど、なぜだか、そんなことが思い浮かんだ(注:比較をしようとか、そういう目的ではない。それぞれ、素晴らしい、ということ)。
また、歌詞の内容に耳を向けると、普遍的で壮大なテーマを扱っていることに気づかされる。大人になった今、改めて聴くと、やけに深く心に響いてくるから不思議だ。この曲を生み出していた当時の現場には、きっとその筋の最高のクリエイターたちが集結していたのだろう。大人達が本気になって、子供に伝えたいテーマを丁寧につむいでいた様子が目に浮かぶ。
さらに圧巻だったのは、歌のバックを包むように支配している、児童合唱団のコーラス…。これは…本当に、とってもニクイ演出だ。美しいハーモニーが、涙をそそるほど。ホントに(ネットで検索したところによると、杉並児童合唱団による歌唱のようだ)。
もしも僕が、こういう曲を書き上げてて録音し終えたなら…きっと…
「このために生まれた!」
と雄たけびを上げることだろうな(いつも同じ決めセリフか?・笑)。
いつか、遠い未来に、僕の仕事を聴いてくれた子供達が、今の僕と同じように、熱く思いを綴ってもらえるような仕事を…今、それに近づいているんだろうか?
すでにできているつもりでも、改めて、一つ一つ、仕事の内容をじっくり吟味していくよう心がけよう。正直に、素直に…そうじゃなくちゃ、絶対に伝わるはずはないから。そういう意味では、十二分に条件は満たしているはずなんだけれど…。
えっ? 何のことか、わからない?
そうだろうねぇ(笑)。
一足早いお披露目まで、もう少し…かもね(笑)。
お楽しみに!