このために生まれた
10日前と同じ震えが、再び「からだ」中に走った。
デモをあまりに完璧に仕上げてしまったので、それを越えられるか、かなりのプレッシャーだったのだが、今回も「奇跡」が僕らのもとに舞い降りたようだ。
僕は、「このために生まれた」といっても過言じゃないほどの出来映え。
僕の感覚がかなり極端に偏ってさえいなければ、沢山の人たちに喜んでもらえる内容に仕上がっているはず。
早くみてもらいたい。今すぐ聞いほしい。
でも、やっぱりいつもと同じように、完成した瞬間は、この部屋で独ぼっちだ。敬愛するある音楽家も、同じことを言っていた。何かが生まれる瞬間は、こうして、そっと独りでいることばかりだと…。
けれど、この成果は、みんなのものだ。いつも以上に、チームワークの力強さを感じている。自分のバンドで音楽を追究したことはないけれど(自分のバンドは組んだことがない)、きっとバンドで作業する面白さというのは、こういうものなのだろう。
僕の大好きなロックバンドは、どれも、ポピュラリティと実験性を兼ね備えていた。レッド・ツェッペリン、クイーン、U2、ピーター・ゲイブリエル…大衆により過ぎず、かといってマニアック過ぎず…多くの人たちを受け入れる器がありながらも、よく聞くと、とんでもないことがサラリと成し遂げられている…先人達のそんな優れたバランス感覚に、いつも溜息を漏らしていた青い時代から、僕は、彼らと同じような「間口が広くて奥行きも深いもの」を追求してきたんだ。今それが、ここまでのキャリアの中で、最高の形で現実になろうとしている。
今、僕らが取り組んでいることは、僕らなりの表現方法で、彼らの領域に突入していると言っていい。いや、このスタイルでこんな成果を出そうとしていることを考えると、「オンリーワン」「これこそアート」と言えるかもしれない。にもかかわらず、「優しい」内容にまとまっているんだから…最強と言っても良さそうだ(どんどん、オーバーな表現になっていく・苦笑)。
誰一人の尽力が欠けても達成できない、スタッフ全員の成果だ。本当に、一刻も早く、みんなにおみせしたくてたまらない(まだOKがでるかわからないんだけど)。
しかし…いつだって僕は、オーバーな表現しかできないみたいだ。「このために生まれた」って(苦笑)。いつも、どんな仕事でもそんな調子で語っている気がするけれど…。
実際、今の成果がどれだけのものか、是非、皆さんの目で判断いたければ嬉しい。公開の日は、また追って。