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ツツジ満開

街路樹の植え込みが、赤やピンクに染まっている。


音楽を一部担当しているNHK教育「からだであそぼ」のMA(映像に音声を貼付ける作業)は、都内某所のスタジオで行なわれている。そのスタジオは、僕が育った街にある。ちっぽけな偶然の巡り合わせ——そんな些細な出来事にでさえ、ロマン派を気取る僕の心は独りそっと踊っていた。

5月の2週目から放送される予定のVTRの仕上げに向かった日、スタジオの最寄り駅を下りると、目の前に、満開のツツジが広がっていた。
 
 

 
僕が青春期を過ごしたこの街を離れて20年ほど経つ。駅の様子は昔とさして変わらず、エスカレーターを登るとき、改札を出るときに呼び覚まされる当時の記憶は、今も驚くほど鮮明に僕の中に刻まれている。

春先から2週に一度、この街での作業を行っている。その2週間というインターバルが、再び戻ってきたこの街の印象をいつまでも新鮮に保ってくれているようだ。2週毎にここへ訪れるたび、20年前の記憶が新鮮に蘇ってくるだ。2週間前の記憶ではなく、20年前の記憶として。不思議だ。

駅前の様子は、当時とはかなり様子が変わっている。狭かった歩道は区画整理が進んで見晴らしがよくなっている。そうしてできた広いスペースは、かなり大きな街路樹の植え込みになっていた。確かここには、喫茶店やコインランドリーがあったような気がするけれど…。

ツツジ。そう。僕が暮らした家のそばにも、鮮やかなツツジがあった。子供の頃は、友達と集まってはそのツツジを採取して解体。ほのかに蜜の甘さを覚える弁の部分を口にくわえて遊んだ。蜜はあまりにも微量で、青い味ばかりだったけど。


それから二十余年。つぼみはそろそろ花を咲かせ始めるのだろうか?


●進捗報告
今週から、「踊る内臓」(森山開次)は「胆嚢」が登場。今月のこのコーナーは、先月以上に「濃い」内容になる予定。既に6月放送予定分まで完成済み。どうぞお楽しみに!