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変調

この夏、生まれて初めて、夏バテというものを経験した。

原因は明白。冷たい物を多量に呑んでいたから。そのほか、数々の疲労と心労…これだけ理由があれば、カラダは確実に変調をきたす。

おまけに、痛めた喉が、まだ治っていない。普通に生活できるほどにはなっているが、未だ全快とはいかない様子。展示準備を進めないといけないというのに…参った。
 
 

 
もうひとつ、この夏、初めての体験をした——お酒を一滴も飲んでいないのに、食べたものを戻してしまった。ある宴に顔を出しているさなか気分が悪くなり…嫌な予感がして、一足先にお暇したのだが、家路の途中、その嫌な予感が的中したのだ。

途中下車して、トイレに駆け込むこと2回。いざというときのために、わざわざ各駅停車に乗り込んだ甲斐があったというものだ。おかげで周りに迷惑をかけずにすんだが、家にたどり着くまでどれだけ疲れたことか知れない。食べあわせが悪かったのか? 服薬と当たったのか? それとも心因的なものか? 理由は定かではない。ただ確実に、現在、カラダは弱っていることに間違いはなさそうだ。

喉の治療先で事情を話すと、

「薬で胃が荒れていたかもしれません」

とのこと。


確かに、胃は少し痛む。そしてあの晩は、喉の調子が回復したてのところで、ちょっぴり無理をしすぎたのかもしれない。思った以上に肌寒かったし、それに、楽しい話題につられて、つい、食べ過ぎてしまったし…(といっても、いつもの僕からしたら半分以下だが)。「冷えは万病のもと」だから、カラダを冷やさないようにと注意を払っていたけれど、それだけじゃ、足りなかったようだ。


初めての出来事で少々うろたえたが、その後は、食事も普通に摂れているし、ひとまず安心といったところ。けれど、こんな調子で、色々な準備が滞り気味なのが気がかりだ。まだまだ時間的余裕はあるのだけれど、少し焦りはじめている今…。焦りが冷静な判断と計画的な作業進行を遅らせている。先延ばしにできそうな予定のいくつかは、またもや先送りにしてしまった。お待たせしている方には、本当に申し訳なく思う。体調管理は、仕事の、いや、生活の基本だ。それができないようでは…加減をしらない全力主義のあだが、ここで出てしまった。


こうして、かれこれ3週間ほど、体調が優れないまま。こんな状態に陥ると、いけない兆候も重なりだす。あらゆる考えごとが頭をめぐり、終着点のない、いつもの「独り禅問答」が始まってしまった。余計に気分が滅入るのも当然だ。なんとかしなければ…と、様々な対策を講じるも、まったく効果なし。むしろ逆効果のことさえあった。厄介だ。この世の中で、最も苛立たしい存在——自分——が、日々刻々と肥大化している。いつものように、「そのとき」をひたすら待ちわびるほかないらしい。

それにしても、こうしたときをどれだけ刻んできたことだろう。途方に暮れながら空を見上げてただ歩いていた青い時代を思い出す。しかし、そんな一瞬を重ねてきたからこそ、放たれる作品がよりいっそう彩りを増すものになる——僕はそう確信している。この歳月は、ある瞬間を迎えるための鍛錬のときだった。僕はそう信じて疑わない。あらゆる感情と感覚を掛け合わせ、追い求める美へと導いていく時…嗚呼、なんとも官能的ではないか! 

全ての出来事は、未来のためにある。どこへ向かおうとしているかは未だ見えないけれど、何かを学び、感じることはできるだろう。そして、いつかそれを直視する日が来る。